税理士さんの税金とあまり関係のないブログ2.0

千葉県成田市で税理士をしています。「和して同ぜず」がもっとーです。口癖は「しょーがないよね。」HP http://www.office-nemoto.jp/ ※2009年以前の記事は消してしまいました。

やる気

こんばんは。

チラシの裏にたまには真面目なことを書きます。

みなさんそうでしょうが、自分も独立するときに理想の事務所像のようなものがありました。
『日頃特に仲が良いわけでは無いし、休みたいときは好きに休むけども、誰かが病気になったり、仕事が終わらなければ他の人達は仕事を優先して皆で手伝ってお互いにフォローし合える。それを当たり前のようにやる集団』
よく覚えていませんがそんな感じだったと思います。
まぁ、規律を重んじる系の方でなければどなたも概ね同意して頂ける内容だとは思います。

そんな考えが甘いというのは開業する前に気付かされます。
この業界は法律を扱う仕事なので、働いた後でもある程度の勉強は必要です。
しかし、仕事で必要であるにもかかわらず、嫌々でも仕事の内容を勉強する人は3割もいません。
他人のお金を扱っているにもかかわらず、それに対する責任も感じていません。
ミスをして謝るのは、お客さんに申し訳ないからではなく、自分が怒られるのが嫌だから、です。
そういう同僚をみていて、自分が独立したら、仕事ができなくても「やる気」のある人間だけは見放さないようにしようと考えていました。

税理士会行政書士会のような同業者団体の集まりでもやるべき仕事に責任を持たない人はいます。
やる気が無いなら引き受けなければ良いのにと思ったりもしますが、同じ立場の集まりなのでとくに何も言いません。
しかし、従業員が仕事に対してやる気が無い場合は、注意したり叱ったりします。
それは自分が、その仕事、従業員の生活に対して責任があるからです。

と、思いながら10年くらいやってきたのですが、最近「やる気」を評価することに違和感を感じていました。
そんな中、お客さんの従業員募集の案内に次のような文章がありました。

『現場は寒いです!暑いです!危険な仕事もあります。 特に土木の仕事は完成しても土の中、誰にも気づいてもらえないものもあります。仕事は地味かもしれませんが必ず誰かの役に立っています。
ただ働いてお金をもらうだけではなく、俺たちは人々の生活を作っているんだ!そんな誇りを持って働ける職場作りを目指します。
条件は問いません、学歴もいりません、やる気がなくてもいいです、とりあえず働く場所がないから、お金が欲しいだけだから、そんな理由でも構いません。
働くことの意味、働く楽しみ、誰かの役に立つ素晴らしさ。
それらを得ることの出来る会社として、日々努力していくつもりです。』

この歳になるとものの考え方で感銘を受けることは殆ど無いのですが、久しぶりに涙が出ました。



最近、事務所内で、Aさんは暇だけどBさんは忙しい、Aさんは忙しけれどBさんは暇、Bさんがボトルネックになって仕事が停滞している、ということが続いています。原因は上に書いたことの延長だと解っているのですが、なかなか上手い解決策がみつかりません。当たり前ですがこの事に対する温度差もあります。そんなことをハイボールを飲みながら思う今日この頃です。