税理士さんの税金とあまり関係のないブログ2.0

千葉県成田市で税理士をしています。「和して同ぜず」がもっとーです。口癖は「しょーがないよね。」HP http://www.office-nemoto.jp/ ※2009年以前の記事は消してしまいました。

納得いかない

こんにちは。
今日は珍しく仕事の、、、しかも税法の話を書きますので読まないで結構です(笑)。

先日の勉強会で話題に上って、私も過去の案件で色々調べて疑問に思っていたので、
備忘記録的に書いてみます。

中小企業でよくあるパターンですが、会社が代表者等からの借入金を有する場合、
相続やら繰越欠損金やら銀行の顔色やらをうかがって、
その借入金を債務免除することがあります。
債務免除をする際の仕訳は、

(借入金)/(雑収入)

で、法人の収益となります。
もう一つ注意しなければならないのは、
株式の値上がり益部分の課税で、債務免除された金額が株式の価額が上昇したわけで、
当該金額が株主に贈与されたものとして取り扱われる場合があります。
個人的には2重課税じゃないか?って気がしますが、ココまではまぁ良しとします。

その基準となってる通達は相基通9-2です。

(株式又は出資の価額が増加した場合)
九―二 同族会社(法人税法(昭和四〇年法律第三四号)第二条第一〇号に規定する同族会社をいう。以下同じ。)の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。
(昭五七直資二―一七七、平一五課資二―一、平二〇課資二―一〇改正)
(一) 会社に対し無償で財産の提供があつた場合 当該財産を提供した者
(二) 時価より著しく低い価額で現物出資があつた場合 当該現物出資をした者
(三) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があつた場合 当該債務の免除、引受け又は弁済をした者
(四) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 当該財産の譲渡をした者

この通達ですが、利益を享受する法人が「同族会社」としかうたってなくて、
相手は同族関係者とは書いていません。
つまり、任意の話合いで金融機関等の第三者から債務を免除してもらった場合は、
株主の価値上昇分に対して贈与税がかかる可能性があるということになってしまいます。

さすがにそこまでアホらしい課税をされたという話は聞きませんが、
中小企業では手間が掛かる事業再生等を使わず、話合いで債権者から協力を取付けるケースが多いので、
法整備をしっかりしてほしいです。